こんにちは、Dr.ゆうまです
今回は外科医のキャリアについて書きます
「外科医が一人前になるには何年かかるの?」というのはよく聞かれる質問です
結論から言うと
自分で手術の方針を決めたり、指導できるレベルになるのは卒後15年目~
かなり長いように感じると思います
外科は華やかなイメージがあるかもしれませんが、かなり下積みが長いのが特徴です
私の今までの経歴を振り返りつつ、外科医のキャリアについて説明します
私の経歴
私は医師として約10年働いています
普通の職業で言えば、10年目は中堅にあたるでしょう
ただ、医者の中では10年目はまだまだ中堅というよりは、若手のイメージが強いです
特に外科医では10年目だとまだまだ1人では手術を任せてもらえず、指導されながら術者をすることが多いです
医師のキャリア
医師になるためには医学部に6年通い、国家試験を突破する必要があります
この時点で24歳です
浪人や留年することも多いので、医師になるのがもっと遅くなる人も多いです
さらに、卒業後には初期研修、後期研修を行う必要があります
初期研修
2年間の初期研修は私が医師になった頃には必須でした
いわゆる研修医と呼ばれます
昔は医師免許を取ると、自分の専門分野(私で言うと消化器外科です)を決め、1年目から専門分野の修練を積むというのが一般的でした
しかし、これでは知識がかなり偏ってしまい、全身を診るための知識が不足することから初期研修という制度が始まったと聞いています
初期研修では救急で多くの疾患を診て、プライマリーケアと呼ばれる初期対応を身につけます
どの専門分野に進むにしても、救急や内科で数ヶ月研修することは必須とされています
多くの人は早く自分の専門分野の勉強をしたいので、初期研修はいらないという人もいます
全身を診て適切に治療方針を決めるためにも、
他科(内科や救急など)の知識もある程度持っておいて損はしないと思っています
特に、指導医が必ずついてくれて、責任は取ってくれる上に相談もしやすい期間だったので、私はとても有意義だったなと思っています
後期研修
初期研修2年を終えると、専門分野の研修(後期研修)にうつります
この時期の医師は、後期研修医、またはレジデントと呼ばれます
消化器外科ではこの時期が一番きつい時期だと思います(他科でもしんどい時期かもしれません)
レジデント(resident)というのは居住者という意味で、病院に住んでいることを表しています笑
冗談かと思うかもしれませんが、
平日は7時~22時(+当直、深夜の呼び出し)、
土日も休みなくほぼ毎日患者さんを見に行ってました
この時期も指導医はついてくれますが、自分の責任も大きくなります
その分、やらせてくれる手技もかなり多くなります
消化器外科で言うと、初期研修の時は執刀はほぼさせてもらえないと思いますが、後期研修になると自分の担当の患者さんは指導医の元で執刀することが多くなります
緊急手術が必要かどうかというような、患者さんの命に直結するような判断を任されることもあります
体力的にしんどい反面、自分のできることはどんどん増えていくので外科医としてしんどくも楽しい時期です
私も楽しいなと思う時期と、本当に外科医を続けられるんだろうか、やめたいなと思う時期が交互に来ていました
レジデントは大変な時期です
やりがいもありましたが、かなりしんどい時期でした
大学院
後期研修を終えると、外科専門医や消化器外科専門医を取得し、晴れて外科医として一人前になります
ただ、1人前といっても1人で手術ができるわけではありません
多くの外科医は指導医が助手で入ると執刀できるレベルという感じだと思います
外科医の多くは医局に入局することが多く、医局の方針で大学院に入学することが多いです
大学院は4年で、研究を行い、論理的に考える力を磨きます
1本以上の英語論文を書く必要があるので、英語力も必要です
後期研修に比べると、自由がきくことが多くなるので、
自分の時間や家族との時間を多く取れました
スタッフ
大学院を卒業すると、博士号を取得でき、医局から関連病院に派遣されることが多いです
大学院を卒業後、そのまま2年程度海外留学をする先生もいます
スタッフとして数年働くと、執刀も後輩に指導もできる一人前の外科医になります
給料
初期研修の給料は1年目で500万円程度、2年目で600~700万円程度だったと思います
1、2年目のまだ何もできない頃にこれだけお給料がもらえるというのはとてもありがたいものでした
後期研修で給料は大幅にアップし、3年目で900万、4年目で1000万円を超えました
かなり早い段階で高い給料をもらえること、
給料が安定していることが医師の強みだと思います
大学院に進むと、自分でバイトを探したり、医局が持っているバイトに行くことが多く、1年目で1500万円、2年目で1800万円、3年目以降は2000万円近くもらえました
ただ、これはバイトにどれだけ行くかにかなり左右されるので、医局や研究の忙しさによると思います
バイトに行きまくって3000万円近く稼ぐ強者もいます笑
大学院を卒業し、スタッフとして関連病院に派遣されると、だいたい1500万円弱くらいの年収になることが多いと聞いています
まとめ:卒後15年目で1人前?
現役、ストレートで卒業した場合の、多くの外科医のキャリアプランは以下の様になります
後期研修終了後、大学院に進み、留学に2年行く場合です
- 24歳~(1~2年目):卒業、初期研修開始(2年)
- 26歳~(3~5年目):初期研修終了、後期研修開始(3年)
- 29歳~(6~9年目):後期研修終了、大学院入学(4年)
- 33歳~(10~11年目):大学院卒業、海外留学(2年)
- 35歳~:帰国、スタッフとして関連施設へ
本当の一人前になるのは30代後半~40代、医師15年目くらいでしょうか?
1人前の外科医になるためには、かなり長い期間の下積が必要なことがわかるかと思います
外科医になるのは大変ですが、手術は本当に面白く、自分の手で治した実感が得られるのが外科の醍醐味だと思います
外科医の減少がよく話題になりますが、多くの人に外科に興味を持ってもらい、将来の外科医になってもらいたいと思います
質問などあればぜひコメントして下さい
ありがとうございました
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この記事を書いた人
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30代 消化器外科医
手術、投資、ゴルフ、筋トレを愛するブロガー
現在の投資額は約5000万円
ゴルフはベスト75のシングルハンデです
有益な情報を発信できればと考えています
【経歴】
・旧帝大医学部医学科卒業
・卒業大学の消化器外科医局に入局
・現在は大学院生として研究中
・投資は2020年~開始
【現在の挑戦】
・資産1億円!
・ベンチプレス100kg!
・ベストスコア更新!
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